東京都臨床検査53巻1号
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帝京大学医療技術学部臨床検査学科 松村 充地域貢献賞(日臨技)を受賞して東京都医学検査 Vol. 53 No. 195この度,地域貢献賞という名誉ある賞をいただき,身に余る光栄とともに,深く感謝の意を表します。日々の業務や教育活動,そして地域での取り組みを通じて,臨床検査技師として微力ながら地域社会に貢献できたことが,このように評価されたことを大変ありがたく思っております。これまで10年間,東京都臨床検査技師会の理事として,北支部長や地域共催部部長を中心に活動してまいりました。その活動には常に「臨床検査技師」と「東京都民の皆様」を結ぶ架け橋になりたいという想いがありました。事業を進める中で,地域の皆様とのつながりが私の活動の大きな原動力となり,支えとなってきたことを強く実感しています。特に印象深いのは,平成26年度の法律改正に伴い,臨床検査技師による検体採取の技術習得が求められるようになり,平成27年から厚生労働省指定講習会が開始されたことです。当初は,検体採取を実施している施設が少なく,その重要性も広く理解されていなかったため,講師の選定や受講者の確保に多くの困難がありました。しかし,理事や幹事の皆様の協力により,少しずつ軌道に乗せることができました。その後,新型コロナウイルスの流行を受け,臨床検査技師による検体採取の重要性が改めて認識され,追加講習会も実施されるまでになりました。今後も講習の受講率向上に向け,日臨技主催の実践講習の推奨や,都臨技による講習開催を通じて,臨床検査技師の役割拡大に努めてまいりたいと考えています。また,地域保健共催事業を通じて,東京都民の健康増進や公衆衛生の向上にも取り組んでまいりました。各種健康まつりへの参加や骨密度測定,血糖測定などを通じ,地域住民の皆様に臨床検査の重要性を伝え,安心で安全な医療の提供を支える一助となることを目指してきました。北支部を中心とした幹事や有志の技師の皆様のご協力により,大新宿区まつりやいたばし健康まつり,看護フェスタなどでは血管年齢や血糖測定を実施し,臨床検査技師の認知度向上に加え,生活習慣病予防やSTI(性感染症)予防の啓発活動を推進してきました。今回の受賞は,私一人の力によるものではなく,共に活動する都臨技の仲間,指導してくださった先輩方,そして地域社会の皆様のご理解とご支援があってこそのものです。この場をお借りして,深く感謝申し上げます。今後も,地域医療の発展に貢献すべく,自己研鑽を重ねるとともに,大学教員の立場から,臨床検査技師や医療に携わる学生の育成に尽力してまいります。今後とも,ご指導ご鞭撻のほど,何卒よろしくお願い申し上げます。

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