東京都医学検査 Vol. 53 No. 1Ⅰ.総論Ⅱ.個別事業の報告 1.公共目的事業(1)臨床検査技師・衛生検査技師の倫理の高揚並びに資質の向上に関する事業97令和5年度事業執行の概要を報告する. 東京都臨床検査技師会の事業は,「臨床検査技術の研究開発を図るとともに,臨床検査技師,衛生検査技師の倫理の高揚並びに資質の向上を図り,もって臨床検査の普及啓発を行い,人々の健康増進,医療・公衆衛生の向上に寄与することを目的とする」と定款に定められていることから,定款や各諸規程に基づいて執行されなくてはならない. 令和5年度の東京都臨床検査技師会事業に於いては,新型コロナウイルス感染症が5類に移行され,まだ完全ではないがコロナ禍前の事業運営に近づきつつある.倫理の高揚並びに資質の向上に関する事業についても,11検査研究班にて82回の研修会を開催し,昨年に引き続き10,000名を超える会員の方に参加いただいた.開催の多くはWeb研修会であったが,4回程現地開催での実技講習会も開催した.検査の調査研究情報提供事業ならびに地域保健共催事業は,他団体主催事業がコロナ禍前とほぼ同様に開催されたことから,多くの都民の方に事業展開が出来た.一方,臨床検査の普及啓発事業は,施設連絡者会議の開催や各支部幹事会の開催など徐々に事業が戻りつつあるが組織力を強化するには至っておらず,次年度以降更なる事業展開に期待する.第18回東京都医学検査学会には,三浦学会長のもと多くの会員が参加され盛会裏に終了することができた.また,ホームページ運営事業として当会ホームページへの情報提供やLINE株式会社の「LINE」を活用した最新情報の提供など会員の皆さまがより早くより多くの情報を得られるように事業展開をした. 日本臨床衛生検査技師会からの委託事業であるタスク・シフト/シェアに関する厚生労働大臣指定講習会は,今年度19回開催し約1,100名の会員が受講修了となっている.これにより当会会員の受講修了者は1,700名を超えたが,2024年4月1日現在の当会会員数は7,373名であることから,受講修了者率は23.4%に留まり,より多くの会員に受講していただくために,次年度も積極的に開催していくことが必要と考える. 個別事業の執行報告は以下の各論に記載されている事業となる. 臨床検査は患者より得られた検査材料をもって,正確な検査結果を迅速に提供しなければならない.そのため臨床検査技師は検査精度を保証した正しい値を提供するための知識と技術を習得しなければならない.その取り組みとして,新型コロナウイルス感症染拡大の条件下でも各研究班は会員に対して最新の医学的知識や技術を提供し,専門領域の情報交換の場となる研修会を開催して検査技師の資質の向上を図った. 1)学術部研修会学術部11研究班の令和5年度の活動は「血液検査研究班7回」「公衆衛生検査研究班2回」「微生物検査研究班8回」「病理細胞診検査研究班6回」「免疫血清検査研究班5回」「輸血検査研究班6回」「生理検査研究班18回」「一般検査研究班7回」「臨床化学検査研究班7回」「情報システム研究班2回」「遺伝子・染色体研究班2回」計70回の研修会を企画したが,一般検査研究班の講習会1回開催は講師の体調不良のため中止となり,計69回(昨年度68回)の研修会が実施された.新型コロナウイルス感染症が5類に移行したため十分な感染対策を行ったうえで,実技講習会は対面で開催した.各研究班でWeb開催,対面式実技講習会を計画し,研修会参加者延べ人数は8,910(昨年度7,247)名に及んだ. 研究班幹事や講師も職場での規制があり,打ち合わせや準備に制限がある中,新たな研修会の姿を構築できた.会場へ足を運ぶ時間の省力化や子育て世代も手軽に自宅から参加できることから,研修会の開催回数も対面式とほぼ同じ回数を開催し,参加者も増加した. 公公益益社社団団法法人人 東東京京都都臨臨床床検検査査技技師師会会 令令和和55年年度度 事事業業報報告告書書 (事業年度 令和5年4月1日~令和6年3月31日)
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