Rh血液型D抗原精査2%ABO亜型検査32%その他1%不規則抗体同定検査65%2.ABO亜型検査スライド法で使用する磁性板2023年度複数メーカーの試薬図2 図3 ABO亜型検査で提出される検体の依頼理由には,オモテ検査・ウラ検査の結果不一致,オモテ検査における弱反応や部分凝集(m.f.)等があります。実施する検査項目としては,オモテ検査,ウラ検査,レクチンとの反応,吸着・解離試験(熱解離),糖トランスフェラーゼ活性測定,唾液中型物質の確認,フローサイトメトリーによる抗原の確認,キメラの混合血球分離などがあり,必要に応じて検査を実施し,亜型の分類を行っていきます。 オモテ検査に関しては通常スライド法を実施しており,複数メーカーの抗A試薬,抗B試薬を使用して判定しています(図3)。 2023年度に実施したABO亜型検査のうち,亜型が66%を占めており,最も多く検出されている亜型がBmやABmで,ついでAB3,B3,A3となっています(図4)。 亜型の次に検出されているのが,ウラ検査において抗A,抗Bの反応が弱い検体であり,15%となっています。これらの検体は,医療機関での検査で反応が陰性またはきわめて弱い反応を示し,オモテ検査・ウラ検査の結果不一致の一因となります。しかし,検査結果や検査方法の聞き取りを実施すると,直後判定のみ行って判定しているケースがほとんどです。ウラ検査における反応が弱く,オモテ検査・ウラ検査の結果が不一致となっている場合には,反応時間の延長や血漿(血5東京都医学検査 Vol. 53 No. 1
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