東京都臨床検査53巻1号
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7010020308東京都医学検査 Vol. 53 No. 1抗Fya1%抗Yka2%抗Ch/Rg4%抗KANNO5%抗Dib6%抗JMH12%その他7%抗Jra63%抗体なし5%自己抗体関連52%その他2%同種抗体17%まれな血液型24%4+4+4+4+3+4+w+4+4+4+w+方法直接凝集法weak D抗グロブリン法直接凝集法partial D抗グロブリン法1:モノクローナル+ポリクローナル抗体ブレンド,2:モノクローナル+モノクローナル抗体ブレンド,3:モノクローナル抗体(IgG),不規則抗体検査(内訳)抗体の種類同種抗体まれな血液型自己抗体関連抗体なしその他合計ポリクローナル抗体合計588317819345モノクローナル抗体図9 高頻度抗原に対する抗体(2014年4月~2023年12月)図10 が認められず,間接抗グロブリン法のみで陽性となります。それに対し,partial DはD抗原エピトープの一部を欠損している,D抗原の質的な異常となります。partial Dは,一部のモノクローナル抗Dと陰性または弱い反応となります(表1)。 partial Dを分類するためには,特異性の異なるモノクローナル抗D試薬を用いて反応性を確認する必要があります。東京製造所では,RhD血液型精査を実施する際に複数メーカーの抗D試薬を使用しています。また,partial Dの分類をするために特異性の異なる自家製モノクローナル表1 weak D とpartial Dの反応性(市販抗D)抗Dを用いて精査を実施しています(図11)。なお,日本人ではpartial D IVb,Va,VI,DYO(DHK)などが多く検出されています。 RhD血液型検査で使用するRhコントロールは抗D試薬によって異なるため,注意が必要です。医療機関からの問い合わせに,試験管法でRhコントロールが弱陽性で判定保留となる例があります。使用している試薬を確認すると,抗D試薬はモノクローナル抗体を含む試薬を使用しているにもかかわらず,ポリクローナル抗体用のRhコントロールを使用している場合があります。患者赤血球にたくさんのIgGが感作し,直接抗グロブリン試験が陽性の場合,タンパク濃度が高いポリクローナル抗体用のRhコントロールを使用することで自然凝集が起こり,反応が陽性となって判定

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