2403229東京都医学検査 Vol. 53 No. 1D+とD-キメラD+16%15%partial D15%weak D31%D-23%自家製モノクローナル抗D5.最後に市販の抗D試薬タイプ件数D+weak DDelD-partial DD+とD-キメラ合計13Rh血液型検査図11 図12 保留となる可能性があります。検査を実施する場合は正しいRhコントロールを使用しているか再確認してください。 2023年度に実施したRhD血液型精査ではweak Dが31%を占めています。直接抗グロブリン試験が陽性となり,院内でRhD抗原の検査が実施できず,血液センターでRhD陰性と判定された検体が23%,D抗原が若干弱い反応を示しますが,weak Dの範疇にはならず,RhD陽性と判定された検体が16%ありました。partial Dとキメラ(RhD陽性とRhD陰性)はどちらも15%となっていました(図12)。キメラは年間1~2件検出されており,この場合は抗D試薬を用いて凝集血球と非凝集血球に分け,その他の血液型抗原の違いを確認することでキメラと判定することができます。 ABOの亜型の分類や,自己抗体,高頻度抗原に対する抗体,weak Dやpartial Dの確認を個々の施設で検査するには,抗体試薬や赤血球試薬の等の必要な検査資材が揃わないことから,実施困難な場合が多いと思われます。検出された場合には早めに血液センターに相談していただければと思います。また,予期せぬ反応が認められた際,追加検査を実施することで問題が解決して依頼をしなくて済む場合もあると思います。採血による患者様の負担も軽減されると思いますので,検査依頼の前にまずご相談ください。 また,繰り返しになりますが,現在,輸血関連検査委託に関する承諾書の提出率が60%程度と高くありません。こちらは検査の委託に同意していただくとともに,残余検体の利用承諾も含まれています。特に,高頻度抗原に対する抗体の同定には,患者様から得られる既知の抗体や抗原陰性赤血球が必須となります。残余検体の利用へ同意が得られない場合,将来的に同定するための試料
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