か東京都医学検査 Vol. 53 No. 1図2 電極設置不良の1例および筋肉の運動点②記録電極から手首中央を経由して7cm③手の皺から2.5cm〈機器の設定〉 現在の筋電計はデフォルトの設定でも波形は十分導出可能である。しかし,機器の設定は必ず確認しておく必要がある。・設定の1例Hi-cut:3~5KHz Low-cut:10~20Hz 解析時間:2~5ms/div(脱髄で潜時・持続時間が延長しているならば適宜設定を変更する)Humfilterは必ずOFF。〈記録電極・基準電極の位置〉 記録電極が筋腹のmotorpointに置けている 基準電極の位置は適切か(belly-tendon)⇒電極の設置不良は,初期陽性波などの波形の立ち上がり点に影響を及ぼす可能性がある(図2)。〈基線と立ち上がり〉 基線が斜めになったり,立ち上がりが不明瞭な場合は皮膚を前処理して接触抵抗を減らす。また感覚神経伝導検査においては,刺激の陰極を支点にして陽極部分を回転させて基線を直線にすることを目指す。図3 波形と筋力の関係 導出した波形が何かおかしいと感じたら,図3のような波形と症状・筋力との関係性を考え,図の右上・左下のような状況では追加検査について検討する。〈神経破格〉 上肢ではマーチン・グルーバー吻合,下肢では副深腓骨神経を疑わせる波形が導出されたら,それを証明する必要がある。・マーチン・グルーバー吻合(図4 図5)導出された波形に 違和感を感じた場合13
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