東京都臨床検査53巻1号
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図6 副深腓骨神経の走行図7 副深腓骨神経の実波形外果下で電位が得られれば副深腓骨神経有とする。・‌‌副深腓骨神経(deep‌accessary‌peroneal‌nerve)(図6 図7)〈刺激の波及・刺激強度〉 神経疾患で刺激閾値が上昇している場合,手関節部では刺激が強すぎると隣接する神経に刺激が波及するので注意を要する(図8)。 近位部刺激では,刺激強度が不足することが多いので,遠位部・近位部間のCMAP振幅に差がある場合は脱髄や刺激強度不足などに注意する必要がある。図8 刺激波及に関する模式図 ここで挙げたものは一例であり,あらかじめ臨床側と相談し取り決めを作っておくのが望ましい。詳細な検査方法は参考書等を参照のこと。1)‌‌正中神経NCSで遠位潜時が基準値よりも延長している場合⇒‌‌手根管症候群が疑われ,より確実な所見の報告のため追加検査を実施する。正中神経・尺骨神経比較:(第2)虫様筋―骨間筋法(2L-INT法 図9)2)‌‌尺骨神経運動神経伝導検査での肘部刺激で,神経伝導速度が10m/s以上の差,または潜時差が5ms以上の場合 手術予定で肘部の障害部位を確実にしたい場合は,肘部管症候群の診断のために肘部でのインチングを実施する(図10)。3)手首部分の背屈ができない場合⇒‌‌橈骨神経麻痺が疑われるため,橈骨神経運動神経伝導検査を前腕・上腕・腋窩の3点刺激で行東京都医学検査 Vol. 53 No. 1追加検査が望ましい例腓骨神経CMAP:遠位部<近位部外顆後方(下方)刺激を追加し電位の有無を確認。15

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