東京都臨床検査53巻1号
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写真1 学生タスクシフト講習会(国家受検申請用講習会)の打ち合わせ風景事前に講習会で実際に使用するシミュレーターの使用方法や講習会の流れをお互いに確認しました。参加してみると理事の方々の日々の講習会に関する苦労は大変なものだとしみじみと感じた。講師は看護師もしくは医師でなければならない,肛門機能検査の講師は消化器外科の認定資格があると望ましいと規定されており,各講師を集め,都合を伺い日程調整,借用する施設の都合など全てを調整しなければならない。私たち教員も1度や2度経験しただけではとても習得しきれない学ぶべき内容の膨大さを感じた。文京学院大学,帝京短期大学,新渡戸短期大学,麻布大学の先生方と一緒に2名ずつ交代で実務委員を開始した。短大であっても留年生は旧カリキュラム時の入学生であり,国試受験の申し込み前に受講を済ませておかなければならない。各大学での開催の講師についてもまた看護師もしくは医師でなくてはならない。本学では,東京都の技師会で肛門機能・内視鏡の部分の講師を担当された経験のある先生が救急医学科に所属されていたので容易に依頼ができた。また看護養護学科があるのでそちらの先生には,学科長を通じて依頼をすることができた。 さて肝心の学生にどう進めていくかである。本学は約130名について講習させなければならない。半年間の期間の間にオンライン座学を修了するようにと指示した。締め切り日を少し過ぎる学生はいたが,なんとかクリアできた。さて備品や消耗品も全てなんとか揃いつつあり,あとは8月の本番を迎える段階まで来た。流石に1日では行えないため,2日間で行うこととなる(写真1)。20東京都医学検査 Vol. 53 No. 1 講師を引き受けていただく看護の先生方は,臨床検査技師会の講習会の講師はもちろん未経験であるので,私の方で講演会全体のマニュアルを作成することにした。現職の講習会は,厚労省指定講習会であるので,講習時間も厳守しなければならない。早く終わってはいけない。休憩時間も少ない。今まで行った他の学内実習での経験から,学生の体調不良を考慮した対策についても講じる必要がある。念の為に補講日の設定も行い,先ほどの東京都の実務委員を担当される先生方の大学でも該当学生が出た場合には,合同開催となる予定である。しかし本学からは1人も出ないことを願うばかりである。本学での講習会の講師及び実務委員の先生方のご協力に感謝したい。 旧カリキュラム入学学生のための国試受験申請用講習会の約1年前には,新カリキュラムの医療安全管理学の講義と実習を行った(写真2)。 他の大学・短大・専門学校も同じであるが,この時期は,資料が揃わない状況下で行うしかない状況であった。先に述べたように日臨技学会の動画や資料は著作権の問題があり,教育の場では使用できない。そこで昨年開催された日本臨床検査技師教育協議会の全体会議で,教育用動画コンテンツについて問題提起させてもらった。特に成分採血や誘発筋電図については,絶対に実技講習は不可能である。今年に入り,成分採血の動画が届いた。筋電図についてもまもなく仕上がる段階である。

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