必ず見学させる行為ホルター心電図検査のための検査器具装着肺機能検査(スパイロメトリーを除く) 脳波検査負荷心電図検査超音波検査(心臓、腹部)足関節上腕血圧比(ABI)検査 精度管理*メンテナンス作業*臓器切り出しと臓器写真撮影迅速標本作成から報告検査前の患者への説明(検査手順を含む) チーム医療(NST、ICT、糖尿病療養指導)検体採取消化管内視鏡検査 「技能修得到達度評価」は,2022年度入学生から必須の1単位として,臨地実習の12単位に含まれる。具体的には,2024年度からは3年次に,2025年度からは4年次に,この評価が実施され,試験に合格した学生が臨地実習に参加することになる。 我が国の医学部,歯学部,薬学部6年制課程,獣医学部では,臨地実習に進むためにはコンピューターを用いて知識・問題解決能力を評価するCBT(ComputerBasedTesting)と診療参加型臨床実習に必要な態度・技能・知識・問題解決能力を評価する客観的臨床能力試験(Objec-tiveStructuredClinicalExamination;OSCE)の2つに合格することが条件である。制度化されたOSCEは模擬患者を利用することや,第三者による評価が重要である。第三者とは非関係者すなわち臨床検査技師教育では他の教育施設の教員や臨地実習先の臨床検査技師などになることが想定される。しかし,それらを今すぐに臨床検査技師教育に採用することは難しい。そのため「臨地実習ガイドライン2021」では,OSCEに準じた技能修得到達度評価を導入し,臨床検査学の各種実習を通して身につけた検査手技(身だしなみ,患者接遇を含む)を客観的に評価する実技試験として臨地実習前の実施を求めている。東京都医学検査 Vol. 53 No. 1実施させることが望ましい行為血栓・止血検査HE 染色や特殊染色検査病理標本観察 細胞診標本作成と鏡検尿沈渣検査 血液カズ分析検査 交差適合試験 不規則抗体検査同定・薬剤感受性試験採血室業務(採血行為を除く)見学させることが゙望ましい行為運動誘発電位検査体性感覚誘発電位検査文献2) より作成分類必ず実施させる行為標準12誘導心電図検査肺機能検査 (スパイロメトリー)生理学的検査血球計数検査血液塗抃標本作成と鏡検尿定性検査・血液型検査培養・Gram 染色検査検体検査その他* 血液学的検査、病理学的検査、尿・糞便等一般検査、生化学的検査、免疫学的検査、輸血・移植検査表1 臨地実習において学生に必ず実施・見学させる必要がある行為および実施・見学させることが望ましい行為の行為を臨地実習施設によってはすべて実施できない状況を理解し,“同一学生が複数施設にて表1の行為をすべて実施すればよいとしている”としている。表1の全行為を学生が複数施設を利用してでも実施できるよう,教育施設側が調整を行う必要がある。4,参加型臨地実習に向けた対応 新卒者で尿定性検査,血液型判定,心電図検査等が出来ない者が増えており,即戦力までは求めないものの国家試験受験前にしっかり教育をして欲しいとの社会からの要望もあり,臨床への参加型臨地実習が進められることとなった。 各教育施設においては,臨地実習実施にあたって,臨地実習に必要な技能・態度を備えていることの確認および必要な指導を目的とした,臨地実習前技能修得到達度評価の実施が求められるようになった。技能修得到達度評価は,臨床検査技師の資格のない学生に一定の資質を備えさせてから臨地実習に臨ませることを目的としており,実施タイミングも,臨地実習前の学修と臨地実習が十分連携できるような適切な時期に行うこととされている。臨地実習前技能修得到達度評価29
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