東京都臨床検査53巻1号
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 本学は1学年約120名在学し,臨地実習は10月スタート,1月スタートの2期に分かれて実施するため,各期約60名の学生が5~6名ずつの10グループに分かれて,9月末,12月末にトレーニングおよび評価試験を実施している。 本学で2023年に実施したトレーニング,評価試験のスケジュールを表3に示す。なお,スパイロメトリーに関しては表2のA項目に該当するがCOVID-19流行の影響で当該年度は実施していない。1.トレーニング・スケジュール 本学のトレーニングスケジュールを表4に示す。 学生は,グループごとに各項目30分間の2日間で7項目のトレーニングを受講する。・事前学習 トレーニングに臨むため事前学習として微生物学の例を挙げるが,無菌操作の手技,Gram染色の項目では,ガスバーナーの使用法や白金耳火炎滅菌,Gram染色手順などのマニュアルと動画を事前に共有しいつでも閲覧できる状態としている(図1,2)。 マニュアル・動画を確認し,トレーニングの段階では手順が頭に入っている状態でトレーニングを受けることを求めている。・トレーニング内容 事前学習をもとに,実際に手技を行い,担当教員から指摘や指導を受ける。2.評価試験・スケジュール 本学のトレーニングスケジュールを表5に示す。 B項目である病理を除く6項目に対して10グループが交代で評価試験をうける。・評価方法 各評価試験は2~3名の学生に対して1名の教員が評価を行う。評価の均一性を保つため評価表をもとに評価を行う。例としてGram染色の評価表を図3に示すが,Gram染色の手順を間違えたり,Gram染色所見の判読の項目が不可であった 技能修得到達度評価の評価項目としては,表1の臨地実習において必ず実施させる行為,必ず見学させる行為,実施させることが望ましい行為の項目を基に,日本臨床検査学教育協議会臨地実習到達度評価実施要項がまとめられている。・A項目(必ず実施すべき項目)・B項目(実施が望ましい項目)・C項目(可能であれば実施する項目)・共通項目 上記の4つの課題項目に分類され,評価の具体的な内容と評価内容が例示された(表2)。 トレーニングを実施し,それに応じた評価試験が求められる。 トレーニングは,A項目および共通項目は技能修得到達度評価として必須とし,B項目およびC項目については教育施設に一任されている。 評価試験は,A項目より3項目,共通項目より1項目を選定し,計4項目を最低限の試験項目数として実施する。評価試験項目の選定および,4項目以上の試験項目を選定する,あるいはB項目やC項目を試験項目に加えるなどは教育施設に一任されている。 現時点では各教育施設の統一された評価方法が定められていないが,将来的には統一された合格基準の設定が望まれ,第三者評価を得ることが望ましいとされている。 本学では2022年から臨地自習前技能修得到達度評価を行っている。 技能修得到達度評価は,学内での講義,実習の内容と臨地実習が十分に連携をとることができるように臨地実習開始の1か月以内の実施を目標としている。30東京都医学検査 Vol. 53 No. 1評価項目と実施方法本学の技能修得到達度評価

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