東京都臨床検査53巻1号
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1)‌臨床検査技師学校養成所カリキュラム等改善検討会報告書.厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10734.html(2024年9月24日アクセス)2)‌日本臨床衛生検査技師会ほか:臨地実習ガイドライン2021https://www.jamt.or.jp/data/2021/08/2021.html(2024年9月24日アクセス)床検査室内に限定されることなくチーム医療の一員として他職種と連携し,専門性を発揮することも重要である。 これまで全国共通の実習目標や内容は示されておらず,臨地実習施設の裁量に任されてきたのが現状であった。今後は,ガイドラインで統一された内容の元で,講義や実習,演習で学んだ知識や技能をもとに,実際に医療機関や衛生検査所等で経験豊富な指導者から具体的な指導・助言を受けながら臨床検査業務,他職種連携等を実践することになる。 教育施設では理論・原理が重視され,医療現場との乖離が生じることがあるが,臨地実習を通じてその乖離を埋め,養成施設内での学修のみでは修得し得ない医療者としての倫理と責任,そして臨床検査技師があるべき姿を深く理解し,学生が将来の仕事の具体的なイメージを持ち,医療現場の厳しさや重要性を体感する貴重な体験となることが望まれる。 教育施設は,国家試験の合格者数が重要な評価指標となっているが,国家資格取得だけを目指す知識偏重の教育に偏らず,臨床に即した基礎教育と総合的な教育を目指すべきである。そのためには,臨地実習を臨床検査技師育成の基礎を築く重要な教育科目として位置付ける必要がある。そのために教育施設は,臨地実習に関して臨地実習施設に“お任せ”するのではなく共に築き上げ,医療スタッフとしての実践を通じて,学生が臨床検査技師の仕事の素晴らしさを再認識し,成長できることを期待する。文献東京都医学検査 Vol. 53 No. 135

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