東京都臨床検査53巻1号
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(8µg/mL以下)を示すEnterococusfaecium。50東京都医学検査 Vol. 53 No. 1NPO法人KRICTからの提言, 2010.本文はここから↓NPO法人KRICTからの提言, 2010.n=984μg/ml8μg/ml16μg/ml32μg/ml※小倉記念病院宮崎先生の許可を得て使用池田恵ほか, 環境感染, 22(3): 203–210, 2007.病原微生物検出状況(IASR), 42(18): 2021.(μg/mL)西野由香里,ほか日食微誌, 33(2): 76-81, 2016.第2回都臨技微生物研究班研修会(2024.5.19)第2回都臨技微生物研究班研修会(2024.5.19)第2回都臨技微生物研究班研修会(2024.5.19)検体数3530252015101μg/ml2μg/ml知っておきたいバンコマイシン耐性腸球菌【後編】微生物検査のソコヂカラ(日本BDウェブセミナー)第2回都臨技微生物研究班研修会(2024.5.19)第2回都臨技微生物研究班研修会(2024.5.19)第2回都臨技微生物研究班研修会(2024.5.19)第2回都臨技微生物研究班研修会(2024.5.19)3.ステルス型VRE【スライド16~21】161718191314感性(S)中間(I)耐性(R)15≦48-16≧32VIEVRE※※VREの分離頻度は地域差が大きいバンコマイシン※※感染症法ではVCM≧≧16μg/mLがバンコマイシン耐性腸球菌CLSIではディスク拡散法、微量液体希釈法ともに24時間培養で判定することになっている(通常は16~20時間)。分離されたVanA型7株はすべて輸入鶏肉(ささみ以外の生肉部)由来VanB遺伝子を保有しているにも関わらず、バンコマイシンのMICが低値バンコマイシンで治療を行うとMIC値が上昇し重症化する症例も現在の感染症法の基準では63.3%が陰性と判定されてしまう。順天堂大学医学部附属病院からの報告(2005年の事例)ステルス型は関東でも分離されている。VREの疫学【国内-都道府県別】バンコマイシンのブレイクポイント(CLSI)食肉由来のバンコマイシン耐性腸球菌 NPO法人KRICTは2010年,vanB遺伝子を保有しているにもかかわらず,バンコマイシンのMIC値が低値を示すE. faeciumが北九州の医療機関で広がっていると報告している。このステルス型VREは,バンコマイシンで治療を行うとMIC値が上昇し,重篤化する症例があるとされる。小倉記念病院(北九州市)の宮崎先生の調査では,現在の感染症法のバンコマイシン耐性腸球菌の基準(MIC値16 μg/mL以上)では63.3%を見逃すとされる。 なお,以前に都内の大学病院でもステルス型VREの分離例が報告されており,北九州に限局した問題ではないことが示唆される。また,海外ではvanA遺伝子を保有するステルス型VREが報告されている。これらを整理すると,ステルス型VREはvanAまたはvanB遺伝子を保有しているにもかかわらずバンコマイシンのMIC値が8μg/mL以下を示すE. faeciumと考えられる。ステルス型VREとは!?NPO法人KRICTからの提言小倉記念病院でのVanB型E. faeciumのMIC分布北九州地域に限局した問題か!?Enterococcusspp.43

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