東京都臨床検査53巻1号
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医政地発1219第1号(2014年)より抜粋飯草正実ほか, 臨床と微生物, 45(5): 377–382, 2018.飯草正実ほか, 臨床と微生物, 45(5): 377–382, 2018.バイメディアECS寒天培地/ECSV6寒天培地VRES 寒天培地クロモアガーTMVRE blue生培地日本BD極東製薬関東化学栄研化学6 μg/mL6 μg/mL6 μg/mL判定不可判定可判定不可判定可不可不可不可35℃24~48時間35~37℃24時間35~37℃24~48時間中村文子ほか, 臨床と微生物, 41(5): 419–422, 2014. 一部改変※九州大学病院服部先生の許可を得て使用第2回都臨技微生物研究班研修会(2024.5.19)第2回都臨技微生物研究班研修会(2024.5.19)第2回都臨技微生物研究班研修会(2024.5.19)第2回都臨技微生物研究班研修会(2024.5.19)製品名chromIDTMVRE NewVRE選択培地販売元ビオメリューバンコマイシン含有量8 μg/mL6 μg/mLエスクリン加水分解判定不可菌種の識別E. faecalis青緑色E. faecium紫色E. faecalis濃赤色E. faeciumピンク色培養条件37℃24~48時間35~37℃24~48時間第2回都臨技微生物研究班研修会(2024.5.19)第2回都臨技微生物研究班研修会(2024.5.19)Tom A. Szakacset al., Journal of Clinical Microbiology, 52(5): 1682–1686, 2014.第2回都臨技微生物研究班研修会(2024.5.19)服部佳奈子ほか第35回日本臨床微生物学会総会・学術集会, O35-1, 2024.4.保菌者検査と環境培養【スライド22~28】以下の基準を満たす場合には、アウトブレイクの判断にかかわらず、アウトブレイク時の対応に準じて院内感染対策を実施する。・1例目の発見から4週間以内に、同一病棟において新規に同一菌種による感染症の発病症例が計3例以上特定された場合又は同一医療機関内で同一菌株と思われる感染症の発病症例(抗菌薬感受性パターンが類似した症例等)が計3例以上特定された場合を基本とする。・カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)、多剤耐性緑膿菌(MDRP)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)及び多剤耐性アシネトバクター属の5種類の多剤耐性菌については、保菌も含めて1例目の発見をもって、アウトブレイクに準じて厳重な感染対策を実施する。24~48hr増菌増菌培地(Trypticase soy Brothなど)アウトブレイクの定義院内感染のアウトブレイク(原因微生物が多剤耐性菌によるものを想定)とは、一定期間内に、同一病棟や同一医療機関といった一定の場所で発生した院内感染の集積が通常よりも高い状態のことである。保菌調査の対象者と検査の流れVREアウトブレイク時の環境培養各種VRE選択培地の特徴(一覧)各種VRE選択培地①VRE選択培地(日本BD)48時間後VanB型E. faecium22232425262021VanBだけでなくVanA遺伝子のステルス型も存在する。測定機器の影響も示唆される。増菌培地で培養後、選択培地に塗布することで検出感度が高まる。chromIDTM VRE New(ビオメリュー)48時間後VanB型E. faecium野生株VanA遺伝子を有するバンコマイシン感受性E. faeciumのアウトブレイク(カナダ、2009年)測定法や測定機器による影響は!? 入院中の患者でVRE保菌者が発見された場合は,すでに複数の保菌者がいる可能性が高い。そのため,VREに対しては「保菌も含めて1例目の発見をもって,アウトブレイクに準じて厳重な感染対策を実施する」(医政地発1219第1号)と厳重に定められている。VREが検出された場合,入院患者への保菌調査は,感度を高めるために1週間程度あけて合計3回実施することが望ましい。培養には各社から販売されている選択培地を用い,見逃しを防ぐためにも72時間後まで培養を継続する。環境培養は伝播経路の特定のために行われるが,スワブ等で拭きとった培養検体は増菌培地で24~48時間培養し,選択培地に塗布することで検出感度を高めることができる。環境培養には画一的な手順がないため,菌種やアウトブレイクの状況に合わせ,知識と技術を総動員して検査に臨むことが求められる。44東京都医学検査 Vol. 53 No. 11.1週間程度あけて合計3回程度採取することで検出感度UP !!2.培養は72時間後まで確認3.同定検査と薬剤感受性検査は必ず実施VRE選択培地

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