令和7年の新年を迎え,謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。会員および賛助会員の皆さまにおかれましては,平素より当会にお寄せいただいておりますご協力とご支援に対しまして厚く御礼申し上げます。 昨年6月に開催されました令和6年度定時総会に於いて,2024・2025年度新役員が承認されました。代表理事会長として私原田が4期目を担うこととなり,改めてその重責に身の引き締まる思いです。今期は,新たに8名の理事を迎え理事25名での業務執行体制となります。今回の改選により若手役員が増えたことでより幅広い世代からの意見を取り入れることが出来ると思っております。 さて本年は乙巳(きのとみ)の年,再生と成長を象徴する蛇の年です。これまでの努力が実を結び,新たなステージへと進む年となることを期待しております。医療界におきましては,団塊の世代が75歳以上となり高齢者人口が急増することにより,在宅医療や地域医療のニーズがますます高まってまいります。医療従事者には認知症ケアや終末期ケアなどの専門的な知識が重要視され,専門知識の習得,多職種との連携,労働環境の改善が求められてきます。また,医療DX(デジタルトランスフォーメーション)推進や益々導入が進んでいくことが予想されるAI技術により,臨床検査技師においても働くスタイルをTransformしていかなくてはならないと考えます。特に医療DXについては,その関連法案が令和7年度中にも成立する見込みとなっております。その中には電子カルテ共有化サービスが含まれており,共有化されるデータとして,健康診断結果報告書や感染症検査結果・救急・生活習慣病検査(43項目)結果など3文書6情報が含まれ,全国の医療機関等で閲覧が可能となります。当然,上記の検査結果は,われわれ臨床検査技師の手によって検査され適切な精度管理が行われている中で結果を出しているものであり,どの施設においても同じ結果が出せる様に標準化が進んだことによる恩恵ではないでしょうか。 本年度都臨技としては,上記動向を踏まえた上で「認知症関連検査」・「がんゲノム医療」・「医師の働き方改革によるタスクシフト/シェア」・「多職種連携」について,もっと積極的に取り組んでいきたいと考えております。また昨年1月1日に発生した能登半島地震は皆さまの記憶に新しいことと思いますが,この様な災害はいつ発生するかわかりません。東京都におきましても,関東大震災クラスの首都直下型地震がいつ発生してもおかしくない状況にあり,ひとたびこの様な地震が起これば,都内には甚大な被害が想定されます。当会としては,各施設の被災状況を迅速に把握し適切な支援体制をとらなくてはなりません。その為にも行政をはじめとした関係各所との協定等を早急に結び,適切な災害対策に取り組めるよう進めてまいりたいと思っております。 最後になりましたが,本年が皆さま方にとりまして良い年でありますよう心からお祈り申し上げますとともに,ますますのご発展とご多幸を祈念申し上げ,新年のご挨拶とさせていただきます。公益社団法人 東京都臨床検査技師会代表理事 会長 原田 典明1東京都医学検査 Vol. 53 No. 1年頭のご挨拶令和7年
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