東京都臨床検査53巻1号
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図1 精度管理の手順例 検査機器を正常な状態で運用するために,始業時・終業時における点検や機器の洗浄消毒は重要である。基本的な点検項目や,洗浄消毒,感染対策に関する部分を以下に記載した。●始業時の点検 ・‌‌機器動作前には,機器への十分な通電時間を確保する。 ・‌‌機器本体やセンサー,ノーズクリップなどが汚染されていないか確認する。 ・‌‌ガス検査を行う機器の場合,ガスボンベの元栓を開き,ソーダライムやシリカゲルの劣化や固化が無いか確認する。 ・‌‌ローリングシール型の場合,ベルのハッチがしっかり閉じているかどうか確認する。 ・‌‌消耗品の在庫が十分かどうか確認する。●終業時の点検 ・‌‌測定プログラムやプリンタなどの電源,本体の電源などを適切な順番で終了させる。 ・‌‌本体,その他の外装部分の清拭・消毒を行う。 ・‌‌ガス検査を行う機器の場合,ガスボンベの元Ⅳ.日常のメンテナンスなど栓を閉めて残量を確認し,必要なら交換を行う。 ・‌‌ローリングシール型の場合,ハッチおよびベル内を清掃し乾燥させる。 ・‌‌消耗品の在庫の確認や補充を行う。 ・‌‌呼吸管やシリコンマウスピースなどの洗浄・消毒を行う。●感染対策 ・‌‌マウスピースは被検者毎に交換する。 ・‌‌ディスポーザブルマウスフィルタを使用する。 ・‌‌ノーズクリップはティッシュペーパーなどでカバーし,被検者毎に交換する。 ・‌‌COVID-19や結核が疑われる被検者の検査は行わない。やむを得ない場合順番をその日の最後にする。 ・‌‌シリコンマウスピースやトランスデューサー,呼吸管などは,それぞれの材質や性質に合わせた適切な方法で洗浄・消毒を行う。 メンテナンス方法に関しても,各メーカー,各機器で対応が違う場合が多い。メーカー担当者に東京都医学検査 Vol. 53 No. 1などなど67

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