さいごに輸血検査日本輸血・細胞治療学会輸血のための検査マニュアルver1.3.2,日本輸血細胞治療学会改訂第4版 輸血学,中外医学社最新臨床検査学講座 免疫検査学,血液検査学,医歯薬出版株式会社Blood transfusion in clinical medicine Human Blood GroupsTable of blood group systems v11.2 31-JUL-2023 ISBT 輸血検査は,基本的に赤血球の抗体感作⇒架橋⇒凝集反応を観察するものであり,目的とする抗体がIgMかIgGかで方法が異なり,主に生理食塩液法と間接抗グロブリン法である。目的は異なっても,方法・手順は同様であるので,基本的な流れを理解すれば,容易である。 目的別にすると赤血球抗原検査:抗体試薬と患者赤血球。赤血球抗体検査:患者血漿(血清)と既知の赤血球試薬。交差適合試験:患者血漿(血清)と輸血用赤血球製剤(主試験),患者赤血球と輸血用血漿製剤(副試験)などに分けられる。 方法(手順)別にすると生理食塩液法,間接抗グロブリン法,(酵素法)がある。 生理食塩液法で実施する検査項目は,ABO血液型(オモテ・ウラ検査),Rh血液型,必要に応じてその他の赤血球抗原検査,不規則抗体検査,交差適合試験などがあげられる。検査方法として,試験管法,カラム凝集法,マイクロプレート法などがあり,基本的に室温で即時遠心し凝集判定する。 間接抗グロブリン法で実施する検査項目は,不規則抗体検査,交差適合試験,RhD陰性確認試験,赤血球抗原検査などがあげられる。検査方法として試験管法,カラム凝集法,赤血球膜固相法70東京都医学検査 Vol. 53 No. 1などがあり,反応増強剤としてポリエチレングリコール(PEG),低イオン強度溶液(LISS)の添加により,反応増強や反応時間短縮が図られている。基本的に37℃にて反応させた後,赤血球に非結合の抗体成分を洗浄または分離し,抗ヒトグロブリン試薬と反応させ凝集判定する。 ABO・RhD血液型のみならず輸血検査(血清学的検査)は抗原抗体反応を検出するものである。そのため様々な要因が結果判定に影響を及ぼすことがある。患者の疾患歴・妊娠歴・輸血歴・移植歴,検査法の原理,使用する試薬について理解しておくことは重要と考える。参考資料赤血球型検査(赤血球系検査)ガイドライン(改訂4版),
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