東京都臨床検査53巻1号
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『輸血検査の基礎(不規則抗体・交差適合試験)』1.不規則抗体とは2.不規則抗体の種類と特徴3.不規則抗体スクリーニング東京都医学検査 Vol. 53 No. 1 71■開催日:2024年6月19日(水)■講 師:株式会社カイノス中島 康裕■生涯教育点数:基礎―20点 不規則抗体とは,ABO血液型以外の赤血球抗原に対する抗体です。輸血や妊娠などの免疫感作によって産生されます。 不規則抗体には免疫抗体と自然抗体があります。免疫抗体は,輸血や妊娠などの免疫感作により産生され,その多くはIgG抗体で,溶血性輸血反応の原因となります。 一方,自然抗体とは,動植物の摂取や花粉などの吸引,微生物の感染や疾患により産生されます。その多くはIgM抗体のため,抗A抗Bを除き溶血性輸血反応の原因にはなりません。 不規則抗体スクリーニングは交差適合試験と比べ,検出感度および信頼性の点で優れているため,可能な限り,交差適合試験に先立って実施すべきとされています。 また,使用するスクリーニング赤血球に関して3つの条件が定められています。

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