東京都臨床検査53巻1号
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・‌‌輸血のための検査マニュアルVer.1.4(日本輸血・細胞治療学会)および疑義解釈Q&A計学的評価の結果を総合的に評価して最終的な抗体特異性が確定されます。 交差適合試験は,輸血前の患者と,ドナーの赤血球の血液型不適合輸血を防止するために行います。適合性を確認することで,ABO血液型と不規則抗体による不適合を回避します。 交差適合試験には,患者の血漿とドナーの赤血球の反応性を確認する重要な主試験と患者の赤血球とドナーの血漿の反応性を確認する副試験があります。副試験については,以下の2つの条件を満たしている場合省略されることがあります。・‌‌1つ目は,日本赤十字社の赤血球製剤を用いる場合。・‌‌2つ目は,患者の血液型が2回以上異なる時点で採血された検体で二重チェックにより確認されている場合。 交差適合試験の検査方法は,不規則抗体スクリーニング検査と同様,間接抗グロブリン試験が,最も臨床的意義が高く,生理食塩液法,酵素法は補助的に用いられる点も,不規則抗体スクリーニングと同じです。ですが交差適合試験にも限界があります。これらを認識した上で,検査を行う必要があります。参考資料・赤血球型検査(赤血球系検査)ガイドライン(改訂4版)7.交差適合試験について東京都医学検査 Vol. 53 No. 173

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