図3 線溶の流れ図4 FDP,Dダイマー小血管内に微小血栓が多発する病態です。凝固活性化と共に線溶活性化がみられますが,その程度は基礎疾患により差異があることが知られています。日本血栓止血学会DIC診断基準2017年版では,FDP・Dダイマーは線溶活性化が高度であるとFgDPの生成が多くなりFDPは著明に上昇するがDダイマーは中等度の上昇にとどまること,FDPまたはDダイマーが正常であれば,新基準を満たした場合でもDICの可能性は低いと考えられることなどが記載されています。 DダイマーはかつてはDICなど高値の臨床的意義に注目されていましたが,最近では,VTEの除外診断など低値の意義も注目されています。Dダイマー試薬の選択においては,従来試薬との相関性のみならず,低値の精確性も重視していただ76東京都医学検査 Vol. 53 No. 1Ⅵ.HIT抗体イムノクロマト検査試薬についてく必要があるといえます。 当社では2023年にHIT抗体のイムノクロマト試薬イムファストチェックⓇHIT-IgGを発売いたしました。本製品の使用方法は,血清または血漿10 μLを付属の検体希釈液に加えよく混合し,希釈検体100μLをテストプレートに滴下,15分後にラインの有無を判定します(図5)。 HIT抗体検査は外部委託の医療機関が多いと思われ,イムノクロマトで迅速・簡便に検査結果を得ることができる本製品は非常に有用であるといえます。本製品は1箱3テストの小包装であり検査数の少ない場合でも無駄が少ないよう配慮しております。ご興味のある方は,PHC株式会社診断
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