東京都臨床検査53巻2号_2
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253検体測定導入の効果は大きい。2.採血管マージシステムの構築 採血量の増加は患者の負担に直結する。外来採血室では,これまで採血管の発行をオーダー単位で行っていた。これにより,重複する採血管や検査項目が発生する。発行された採血管は原則すべて採取する必要があり,採血量の増加につながっ図1 診察予約時間に合わせた採血図2 採血管マージシステムていた。また,通常の採血に加え,治験・研究用採血が加わると,さらに採血本数が増加してしまう問題があった。 採血管マージシステムは検体検査システムでマージ条件の設定を行うことで実施を可能としたシステムである。マージ対象の採血管が採血オーダー間で重複する場合,その採血管を集約する機能である。この時に重複する検査項目も集約される。結果報告は同じ測定結果をマージされる前のオーダーにリリースされるため,検査テスト数の削減にも寄与している(図2)。 本機能を構築することで,採血本数を最小限にすることが可能になった。患者の負担軽減だけでなく,採血管や検査テスト数の削減につながっている。本機能はマージ条件を見直すことで,さらなる効果を得られることが期待できる。3.外来採血室の様々な取り組み 外来採血室では他にも様々な取り組みを行っている。その一つがu-TRIPSと採血アシスト画面の連携である。u-TRIPSでは採尿コップ提出時に尿量測定を行っている。検査必要量に満たない場合はアラートが鳴るため,採尿室担当者は直ちに気が付くことができ,再採尿を依頼することができる。また,尿量測定の結果は採血アシスト画面でも確認が可能である。採血呼出時に既に採尿コッオーダー①TPALPオーダー②TPALBGLU結果TP〇〇ALB〇〇ALP〇〇GLU〇〇オーダー①TPALPオーダー②TPALBGLU①②ABC東京都医学検査 Vol. 53 No. 2【マージ検体】TPALBALPGLU①+②採血管マージの概要

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