る2)。図2 免疫検査の誤差要因図3 検査室における日頃の管理い。近年は装置に複数Lotの検量線を保持できる装置が多いことからも,Lot切り替え前に管理幅の確認を確実に行うことが望ましい。3.市販の管理試料の許容幅が広い・明確な精度管理許容幅がない 免疫検査の専用管理血清に記載の管理限界は広すぎることが多く,参考値±10~30%の設定が多い。このため,この管理幅は日常の精度管理には不適切であり,自施設での管理幅設定が必要となる。管理幅の設定は数値項目であることからも,臨床化学検査同様に可能な限り複数日の反復測定を実施し,平均値と標準偏差を求め管理図により管理する。また,項目ごとの管理限界については,臨床化学項目では生理学的個体内変動を用いた160東京都医学検査 Vol. 53 No. 2図4 臨床化学検査とは異なる免疫検査の注意事項CVAがあり,5%を超える場合は5%が提唱されている。免疫検査項目は血漿蛋白以外にCVAが提唱されていないため,5%程度が妥当と考えられ4.外部精度管理の実施にあたって これは免疫検査,臨床化学検査の双方に共通の注意事項となる。外部精度管理は結果報告に時間を要することから,サーベイ実施時点の装置の状態を結果報告時に確認するのは難しい。そのためにも,サーベイ実施に際して校正データやコントロールの状態,試薬やキャリブレータの使用Lotはすべて後から確認できる状態にすることが必要である。また,実際に評価が低かった場合には平均値からのずれの大きさの程度を確認し,サーベイ実施時の装置の精度管理との傾向を比較するとともに試薬メーカーにも該当Lotに問題がないかを確認する。さらに同一分析装置での測定項目に同様の傾向が表れていないかを確認することにより,装置不良や試薬不良が確認できる。5.免疫検査の誤差要因と日頃の管理 免疫検査における精度管理の誤差要因と日頃の管理における注意事項を図2,3に示した。いずれも臨床化学検査のそれと同様であり,臨床検査分析装置を扱う基本である。
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