東京都臨床検査53巻2号_2
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1631.梅毒感染早期(再検を考慮)2.非梅毒1.梅毒感染早期(再検を考慮)2.生物学的偽陽性1.梅毒2.梅毒治癒後の抗体保有1.梅毒2.梅毒治癒後の抗体保有従来の梅毒ト考え方レポネーマ抗陰性陰性陽性陽性非トレ診断ポネーマ脂質抗体陰性非梅毒陽性生物学的偽陽性陽性梅毒陰性梅毒治癒後の抗体保有者臨床現梅毒ト非トレ場でのレポネポネー現実的ーマ抗マ脂質な考え抗体体体方者者東京都医学検査 Vol. 53 No. 2陰性陰性陰性陽性陽性陽性陽性陰性診断表1 梅毒抗体検査による診断(左;従来の解釈,右;臨床現場での現実的な解釈)査は,感染している,もしくは,感染の既往があれば陽性となる。一度でも梅毒トレポネーマに感染すると梅毒トレポネーマ抗体は陽性のまま持続する。カルジオリピンを抗原とする非トレポネーマ脂質抗体検査法は,古典的には炭の小粒子を用いていたRPR(rapid plasma reagin)であり,こちらも現在はラテックス凝集法を原理とする自動化法で検査される。ただし,カルジオリピンを抗原とする抗体検査法なので,他の疾患,例えば,抗リン脂質抗体症候群など,でも同様の血清反応となることが知られており,生物学的偽陽性(bio-まり,梅毒トレポネーマを抗原とする抗体検査法が陰性で,カルジオリピンを抗原とする抗体検査法が陽性であれば,BFPの可能性を考える(表1)。妊娠によりBFPとなることがあるが,妊娠そのものよりもBFPを呈する他の疾患が関係している場合がある。ただし,重要なのは,現状のように梅毒の報告数が多い場合には,BFPの可能性を念頭に置きながらも,再検などで梅毒を完全に否定する必要はある。現状では,可能であれば,再検をして梅毒を否定することが必要であり,梅毒を診断できなかったという状況を招くのは極めて好ましくない。診断としては,この2種類の梅毒抗体検査が陽性であれば,梅毒,または,梅毒治療後の抗体保有者と判断される。ただし,カルジオリピンを抗原とする抗体検査法が,治療経過を反映するので,こちらで経過を診ていくこととlogical false positive;BFP)と解釈される。つ

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