る3)。自動化法の場合には,治療前の最も高い抗る3)。梅毒トレポネーマを抗原とする抗体検査で終わりに治療後にも梅毒抗体検査は必要1) 平山和宏:ヒトの腸内菌の分類に関する総論.腸内細菌学雑誌,30: 5-15, 20162) LaFond RE, Lukehart SA: Biological Basis for Syphilis. Clin Microbiol Rev, 19: 29-49, 20063) 日本性感染症学会:梅毒,性感染症診断・治療ガイドライン2020(一部改訂),http://jssti.umin.jp/pdf/baidokukaikou_20230620.pdfなる。梅毒トレポネーマを抗原とする抗体検査法が陽性で,カルジオリピンを抗原とする抗体検査法が陰性であれば,感染初期を除いて,梅毒は治癒していると判断して良い。 注意が必要なのは,感染早期には,抗体が産生されていない可能性があり,表1に示すような解釈を念頭に置く必要があり,繰り返すが,安易に梅毒を否定せず,積極的に再検すべきである。 治療後の治癒判定は,用手法による半定量の検査では,カルジオリピンを抗原とする抗体検査法で治療前の4分の1まで低下し,その後も値の上昇を認めなければ治癒と判断するとされてい体価の2分の1以下へ低下していて,その後も値の上昇を認めなければ治癒と判断するとされていは,治療により抗体価は低下する場合もあるが,低下しない場合もあり,特殊な場合を除いて,基164東京都医学検査 Vol. 53 No. 2本的には治癒判定には用いない。治療により低下した後にも,1年程度の十分な期間の定期検査を行い,再び上昇してこないかどうかを確認する必要がある。 梅毒は,治癒可能な感染症であるが,妊娠期梅毒については,その診断時期により胎児への影響が生じ得る。成人の梅毒を制御することが妊娠期梅毒,そして,先天梅毒を発生させないために必要であると考えている。古典的な診断法ではあるが,梅毒抗体検査の積極的な実施が望まれている。文献
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