2392400341東京都医学検査 Vol. 53 No. 2 0治療開始Kekkaku Vol. 86, No. 6 : 633 _ 638, 2011を一部改変して引用結核・非結核性抗酸菌感染症を日常診療で診るp72-732017を参考に作成結核ガイドライン2024を引用し作成結核2019; 94: 439–449初回標準治療例の標準的治療法原則としてRFP、INH、PZAを用いる下記の療法を行う。RFP+INH+PZAにEB(またはSM)の4剤併用で初期強化2ヵ月間治療後、維持期はRFP+INHを4ヵ月間継続し、全治療期間6ヵ月(180日)とする。※条件を満たす場合は維持期を7ヵ月とし全治療期間を9ヵ月(270日)にできる。【耐性菌発生頻度】INH:1/106菌、RFP:1/108個→RFP+INH:1/1014個空洞病変には107~109個の結核菌が存在する結核診療ガイドライン2024を一部改変して引用■開催日:2024年10月18日(金)■講 師:国立病院機構東京医療センター小林 昌弘■生涯教育点数:基礎―20点 結核の治療は,原則としてリファンピシン(RFP),イソニアジド(INH),ピラジナミド(PZA)にエタンブトール(EB)またはストレプトマイシン(SM)を加えた4剤併用療法で開始される。初期治療として強化療法を2カ月間実施した後,維持期としてRFP+INHを4カ月間継続し,全治療期間は6カ月(180日)が標準とされている。この多剤併用療法は,単剤治療による薬剤耐性化を防ぐことを目的としている。2021年のデータによると,初回未治療例における多剤耐性結核の割合は0.6%である一方で,再治療例では6.5%に上昇している。これは,結核菌の薬剤耐性が基本的に薬剤曝露による獲得耐性であるためと考えられる。したがって,結核の薬剤耐性化を防ぐためにも,正確な薬剤感受性試験の実施が重要である。1902ヵ月9ヵ月RFP1)標準治療法2)初期2ヵ月にPZAを含まない3剤投与法2ヵ月6ヵ月RFPINHINHEB(SM)PZAEB(SM)初期HREZ2ヵ月標準治療法維持期HR6ヵ月臨床的治癒 RFP耐性の約95%は,結核菌RNAポリメラーゼのβサブユニットをコードするrpoB遺伝子領域の一部に変異が見られることに起因する。INH耐性機構は未だ完全に解明されていないが,主にfurA-katGまたはfabG1-inhAの遺伝子変異に由来していると考えられる。PZA耐性は,pncA遺結結核核治治療療のの基基本本的的考考ええ方方単単剤剤治治療療ででのの薬薬剤剤耐耐性性化化日日本本国国内内ににおおけけるる薬薬剤剤結結核核のの頻頻度度2.結核菌の耐性機序と薬剤感受性試験【スライド5~13】〇盛んに分裂増殖中の菌●ときに分裂するがほとんど休止状態にある菌▲全く休止状態の菌INH感受性結核菌INH耐性性結核菌INH感受性菌の減少とINH耐性結核菌の選択的増殖INH、RFPHR耐性H耐性R感受性SMH感受性R耐性SM耐性EB耐性332(6.8)66(1.3)13(0.3)31(0.6)229(4.6)13(6.5)18(9.0)1(0.5)24(12.2)46(0.9)251(4.8)14(0.3)356(6.9)78(1.5)EB9(4.4)(週)INH耐耐性性結結核核となるINHのみで治療18非常に少数のINH耐性結核菌が自然に存在2021総数HR薬剤感受性検査実施初回62894938(78.5)再治療257201(78.2)不明9970(70.7)合計66455209(78.4)※PZAの初回耐性率は2.1% (95%CI, 1.3–3.3%)、既治療例では11.6%(95%CI, 0.5–24.5%)結核菌の薬剤耐性は基本的に薬剤曝露に対する獲得耐性であり、治療歴が重要となるINHのみで治療『耐性菌を深掘りする!! 耐性結核』1.結核の治療と薬剤耐性結核の割合【スライド1~4】結結核核のの治治療療微生物検査研究班研修会―要旨
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