文献7より引用・改変Indeterminate for UIPパターン:51-69%,terminate for UIPパターンやAlternative Diag-(transbronchial lung biopsy:TBLB)に加えて近年各施設で導入が進んでいる経気管支凍結肺生検(transbronchial lung cryobiopsy:TBLC)がある。さらには手術室で行う外科的肺生検(sur-gical lung biopsy:SLB)を行う場合がある。 呼吸機能検査では,IPは通常,拘束性換気障害(努力肺活量[FVC]あるいは肺活量[VC]の減少,全肺気量[TLC]の減少),肺拡散能障害(DLcoの低下)を認める。肺拡散能障害は,FVCやVCの低下に先行して認められることもある。閉塞性障害を認める場合は,びまん性汎細気管支炎,LAM,塵肺,関節リウマチなどの疾患を鑑別する必要がある。また,喫煙による慢性閉塞性肺疾患(COPD)の合併を考慮する。重喫煙者では気腫病変を合併するために,FVCやVCの減少が一見軽微で肺気腫による気流閉塞も伴うことがあるため,閉塞性障害としても拘束性障害としても非典型的な所見となる。この場合,DLcoが顕著に低下し,労作時呼吸困難が強いことや肺高血圧症を合併している場合が多い。また,IPFでは,FVCや%DLcoは最も信頼できる予後予測因子の一つである。予後不良を示唆する臨床的に有意なべースラインからの変化は,%FVC 10%以上,%DLco 15%以上とされる。特に診断から24ヶ月以内の早期予後については,組織型より東京都医学検査 Vol. 53 No. 2213図2 IPFのHRCTパターン分布,汎小葉(多小葉)性,ランダム分布などに区別される。特に,IPFの診断では胸膜直下および小葉(細葉)辺縁から線維化が進行するとされており,とくに早期のIPFを認識する際に二次小葉内の分布に着目するとよい。IPFの画像診断の国際ガイドライン7)によると,IPFの確信度により4種類の画像パターンに分類される(UIPパターン:>90%,Probable UIPパターン:70-89%,Alternative Diagnosis:<50%)(図2)。各画像パターンの特徴を以下に述べる。・胸膜下及び肺底部優位に蜂巣肺が認められた場合(UIPパターン)・蜂巣肺は認められないが,網状影や牽引性気管支拡張/細気管支拡張が胸膜下及び肺底部優位に認められた場合(Probable UIPパターン)の2パターンはIPFを疑うHRCT所見として確実にとらえることが重要である。それ以外のInde-nosisを示唆するCT所見については,病理組織検査を含めた各検査結果から総合的にIPの診断を行う必要がある1)~3)。 びまん性肺疾患の鑑別診断を進める上で重要となるのは肺生検の病理組織学診断となる。気管支鏡検査における肺生検として経気管支肺生検5.呼吸機能検査4.病理診断
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