東京都臨床検査53巻2号_2
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 免疫組織化学:GATA-3,TTF1に陽性,腺管内腔にCD10陽性となることも 大多数の症例にKRAS変異および1番染色体長腕の増幅あり・未熟奇形腫 Immature teratoma 未熟な神経上皮成分を含む(神経管,ロゼットを形成する神経上皮,核分裂像を伴う神経膠組織) 腹膜に成熟した腫瘍成分のみを認める(Grade 0)場合も,進行期に含む:神経膠腫症 (奇形腫に由来する液性因子により,多分化能を有する腹膜の細胞から発生する例もあると推測されている) 日々新たに加わる研究成果や知見に基づいたWHO分類や癌取扱い規約に則り,日常診断業務を行うことは,適切な病理診断のために重要であり,術後の追加治療の方針決定や予後に影響する。病理検体として提出された際,最初に行われるホルマリン固定や切り出しは,その後の病理診断において重要な役割を果たしている。④その他の病変について・中腎様腺癌 Mesonephric-like adenocarci-noma 形態的,免疫組織化学的に中腎管(ウォルフ管 Wolffian duct)への分化を示す稀な腺癌 子宮内膜症を合併することも多く,他のミュラー管型腫瘍と併存することがある。 傍卵管の中腎遺残由来と考えられるものの報告もある。図5 図6 218東京都医学検査 Vol. 53 No. 2Ⅳ.まとめp53染色

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